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なぜメタンジオール(gem-ジオール)は不安定で水が脱離しやすいの?

gem-ジオールとは?

1つの炭素原子にヒドロキシ基-OHが2つ結合しているアルコールを2価アルコールと呼びます。その中でも、同一の炭素に-OH基が2つ結合した化合物をgem-ジオールと呼びます。gem-ジオールは不安定なことで知られています。

ジオールとgem-ジオールの違い

2価アルコールの総称を「ジオール」と呼びます。つまり、「gem-ジオール」はジオールの一種です。

なぜgem-ジオールは不安定なの?

なぜ不安定なのかをメタンジオールを例に考えてみましょう。まずヒドロキシ基同士が水素結合します。すると、Hが電子を放出してH+となり、配位結合を形成します。

この反応によって、H+が配位結合しているOは正の電荷を帯び、電子を受け取ったOは負の電荷を帯びます。次にこの電荷の偏りが無くなるように反応が進みます。

わかりやすいように一部を電子式にしてみました。C-Oの結合が切れ、H2Oが離脱します。さらに、下のOからCに電子が供給されて二重結合が形成されます。その結果、アルデヒドと水ができます。

一般的に炭素1つに対してヒドロキシ基-OHは1つまでしか安定に結合することはできません。これをエルレンマイヤーの法則と呼びます。

1,2-エタンジオール(エチレングリコール)は有名だけど、1,1-エタンジオールが教科書に出てこない理由は、不安定すぎるからなんだね。

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