アルカリ土類金属とは
Be、Mg以外の二族金属(Ca、Sr、Ba、Ra)をアルカリ土類金属と呼ぶ。いずれも価電子を2個持ち、2価の陽イオンになりやすい。BeとMgがアルカリ土類金属に入らないのは、この2つの元素だけ異なる他二族元素と異なる性質を持つためである。しかし、広義においてBe、Mgを含む二族全体をアルカリ土類金属と呼ぶこともある。
広義には第2族元素とアルカリ土類金属とは言いかえて使用される。
名前の由来
アルカリ金属の塩は全て水に溶けるのに対して、アルカリ土類金属のイオンは2価以上の陰イオン(SO42-など)と水に不溶性の塩を作りやすい。これはイオンの価数が大きいほど強いクーロン力が働き、水に対する溶解度が低下するためだと考えられる。アルカリ土類金属の塩が水に溶けにくく、熱にも強い性質を持っていることから「土類」という名称が付けられたとされている。
調べていくと、色々な由来があって混乱するが、もう1つ説を紹介したい。要約すると、1族をアルカリ金属、3族を土類と呼んでいたため、その中間である2族はアルカリ土類金属と呼ぶとのことである。
3族のスカンジウム、イットリウム、ランタン、アクチニウムを総称して土類元素といいます。また同じ3族に属する遷移元素の一群ランタノイドを希土類ともいいます。つまり「土類」とは3族元素のことなのです。もともと13族元素(短期周期表3族b元素)であるアルミニウムの酸化物(酸化アルミニウム)に似た酸化物が「土」とよばれたことに由来します。
2族元素をアルカリ土類金属とよぶのは、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムの酸化物の性質が、1族のアルカリ金属の酸化物と、3族の土類元素の酸化物との、ちょうど中間にあることからです。カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムの酸化物を アルカリ土 と昔呼んでいたのですね。
二族元素(Be、Mgを含む)共通の性質
①価電子の数
価電子を2個持ち、二価の陽イオンになりやすい。
②単体の性質
銀白色の金属であり、アルカリ金属よりも融点・密度が高い。
③炭酸塩の水溶性
炭酸塩は白色で水に難溶である。塩酸には可溶であり、CO2が生じる。これは弱酸の遊離反応であり、炭酸H2CO3が生じるが、すぐに分解してCO2とH2Oになる。
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
Be、Mgとアルカリ土類金属との違い
①水との反応
Be、Mgは水と反応しない(Mgは熱水と反応する)が、アルカリ土類金属は常温で水と反応し水素を発生させる。
Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2
②炎色反応
Be、Mgは炎色反応を示さないが、Ca(橙赤)、Sr(赤)、Ba(黄緑)は炎色反応を示す。
リアカー 無き K村 動力 借ると するも、くれない 馬力
(Li赤)(Na黄)(K紫)(Cu緑青)(Ca橙) (Sr紅) (Ba黄緑)
③硫酸塩の水溶性
Be、Mgの硫酸塩は水に可溶であるが、アルカリ金属の硫酸塩(CaSO4(下画像)、BaSO4など)は水に難溶で、塩酸にも不溶である。