硫黄の同素体－斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄－

硫黄の単体

硫黄の単体には斜方硫黄S₈、単斜硫黄S₈、ゴム状硫黄S_xの3種類があります。火山帯で産出される他、石油の精製時に得られます。燃やすと青色の炎を上げて燃焼し、SO2を生成します。

高温では金属と反応し、硫化物を生成します。

これらの硫黄の単体を同素体と呼びます。

斜方硫黄は黄色の塊状結晶です。

斜方硫黄は環状分子S₈よって構成されています。

斜方硫黄は二硫化炭素CS2に溶けます。CS2は無色で揮発性の液体であり、主にセロハンやレーヨンの製造過程で溶剤として利用されています。

単斜硫黄は黄色の針状結晶です。

単斜硫黄は環状分子S₈よって構成されています。斜方硫黄もS₈分子によって構成されていますが、温度によって安定する構造が異なるため違いが生じます。また、二硫化炭素CS2に溶けます。

褐色のゴム状固体です。純度が高ければ黄色のものが得られます。

鎖状分子S_xによって構成されています。

ゴム状硫黄は二硫化炭素に溶けません。斜方硫黄、単斜硫黄はS₈分子の集合なので、それらがバラバラになって溶けることができますが、ゴム状硫黄はS原子同士がしっかりと共有結合によって結ばれており、溶けることはできないのです。

硫黄Sの単体の性質をまとめると次のようになります。