ナトリウム Na
性質
銀白色の金属であり、融点が低い。密度が小さく、柔らかい。価電子を1個持ち、1価の陽イオンになりやすい。
製造
NaClを電気分解することで得ることができる(溶融塩電解)。
水酸化ナトリウム NaOH
性質
白色結晶であり、苛性ソーダとも呼ばれる。潮解性があり、空気中の水分を吸収してしまう。水溶液は強塩基性である。
CO2と反応して炭酸塩を生成する。酸性酸化物と塩基の反応である。この性質のため、NaOHはしばしばCO2吸収剤として用いられる。
2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O
製造
NaCl水溶液を電気分解することで得られる。
2NaCl + 2H2O → 2NaOH + H2 + Cl2
炭酸ナトリウム Na2CO3
性質
白色粉末であり、炭酸ソーダとも呼ばれる。水溶液は塩の加水分解によって塩基性を示す。
CO32- + H2O ⇔ HCO3- + OH–
酸と反応してCO2を発生させる。弱酸の遊離反応と理解できる。
Na2CO3 + HCl → 2NaCl + H2O + CO2
十水和物Na2CO3・10H2Oは風解して、一水和物Na2CO3・H2Oに変化する。
Na2CO3はガラスの製造に利用される。
炭酸ナトリウムや硝酸ナトリウムがよく使われます。原料にナトリウム分が増えることで、ガラスの融点が下がり、溶かしやすいガラスになります。その反面、耐熱性、耐水性、耐薬品性などが低下してしまいます。
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炭酸水素ナトリウム NaHCO3
性質
白色粉末であり、重曹(重炭酸ソーダ)とも呼ばれる。水に少しとけて、塩の加水分解により水溶液は弱塩基性を示す。ベーキングパウダーとして親しみ深い。
熱分解するとCO2を発生させる。
2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2
酸と反応してCO2を発生させる。これは弱酸の遊離反応である。
2NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
製造
NaClと水H2OとアンモニアNH3と二酸化炭素CO2を反応させ、炭酸水素ナトリウムNaHCO3と塩化アンモニウムNa2CO3を生成する。
NaCl + H2O + NH3 + CO2 → NaHCO3 + Na2CO3
炭酸水素ナトリウムNaHCO3を熱分解し、炭酸ナトリウムNa2CO3を生成する。
NaHCO3 → Na2CO3 + H2O +CO2