アルコールは塩酸と反応する
アルコールは塩酸HClと反応し、アルコールの-OHがハロゲン元素で置換されます。
○○-OH + HCl → ○○-Cl + H2O
この反応は塩酸だけに限らず、ハロゲン化水素(HF、HCl、HBr、HI)でも起こり、ハロゲン化アルキルが生成されます。
ハロゲン化アルキルとは?
アルキル基にハロゲンが結合したもの。アルキル基とはアルカンからHを1つ除いた官能基のこと。
例:-CH3 はメチル基と呼ばれるアルキル基
クロロメタンCH3Clはハロゲン化アルキルの1つ
アルコールと塩酸が反応する仕組み
メタノールを例に反応の仕組みを見ていきましょう。始めに塩酸から生じたH+がアルコールのO原子に配位結合します。
すると、H+と結合したOが+の電荷を帯び、アルコールのC-O結合の電子を強く引きつけます。
その結果、H2Oが離脱します。そしてCが+の電荷を帯び、Cl–が引き寄せられます。
最終的にC+とCl–は共に電気陰性度が高いためイオン結合ではなく共有結合を結び、クロロメタンCH3Clが形成されます。
-OHのOがH+と配位結合を結ぶと、途端に構造が崩れてしまうんだね。この現象は硫酸を使ったアルコールの脱水反応でも見られるよ。