アルコールからエーテルができる仕組み
アルコールを硫酸で脱水すると、高温下ではアルケンが、低温下ではエーテルができます。今回はエーテルができる仕組みについて解説します。
アルケンとエーテルとは?
アルケンとは二重結合C=Cを持つ炭化水素、エーテルとはエーテル結合-O-を持つ炭化水素の総称です。
エタノールを例に考えていきましょう。実は途中まではアルケンができる仕組みと同じです。 エタノールに硫酸H2SO4を加えると-OH基に硫酸から出たH+が配位結合を形成します。
すると、Oが+の電荷を帯び、C-O結合の電子を強く引き寄せて、H2Oが脱離します。このCが+の電荷を帯びたイオンをカルボニウムイオンと言います。
次にカルボニウムイオン(+の電荷)がアルコールの-OH基のO(極性により-の電荷)と結合を形成します。
その結果、Oが+の電荷を帯び、すぐにHの電子を奪います。HはH+となって放出され、エーテルが生成されます。
アルコールの-OHにH+が配位結合してH2Oが脱離する現象は、いろんなところで出てくるので覚えていたら良いかもね。