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【実験】過酸化水素の分解速度測定実験

過酸化水素の分解速度測定実験

6%H2O2aq 4mlをふたまた試験管の片方に、もう片方には0.5mol/L FeCl3aq1.0mlを加える。

FeCl3が無ければ二酸化マンガンでも良いですが、二酸化マンガンは溶液中に均一に広がらないため反応にムラが生じます。

水上置換法の装置を作り、出口にはメスシリンダーをセットする。

ふたまた試験管のFeCl3を反対へ移動させて反応を開始させる。10秒ごとに捕集された酸素の体積を計る

次ん反応が起こります。

2H2O2 → 2H2O + O2

気体の状態方程式から時間ごとの酸素の物質量を求める

本来ならばメスシリンダー内の水面が水槽の水面と一致していなければなりませんが、この実験では難しいです(どんどん気体が溜まっていきますからね)。メスシリンダー内の水面が水槽の水面よりも高い場合は、メスシリンダー内の気体の体積は実際よりも大きくなります。しかし、今回の実験ではあまりにも微量の変化なので無視します。

室温と大気圧から気体の状態方程式PV=nRTに当てはめて酸素の体積を求めましょう。なおメスシリンダー内には水蒸気が存在するため、その分も考慮して計算しましょう。

大気圧 メスシリンダー内(水の蒸気圧+酸素の分圧)

10秒ごとのH2O2の濃度を求める

酸素の物質量がわかれば、分解されたH2O2の物質量を計算することができます。酸素の2倍の量ですね。

2H2O2 → 2H2O + O2

分解された H2O2 の物質量が計算できたら濃度を求めましょう。H2O2水溶液の体積(4ml)は変化していないこととして計算しましょう。

グラフを作成しよう

縦軸をH2O2の濃度、横軸を時間としてグラフを作成しましょう。

反応が始まった直後に一気にH2O2が分解していることがわかるね

0~30秒、30~60秒、60~90秒の間の反応速度を求めよう

反応速度v = Δ[H2O2] / Δt で求めることができます。

数値で見てみても圧倒的に0~30秒の間の分解速度が速いね。反応速度は一定ではなく、濃度によって変化することがわかったね。

反応速度式を求める

上記の実験で得られたデータを基に反応速度式を求めてみましょう。

10秒ごとの平均の濃度、10秒ごとの反応速度を求める。

「平均の濃度」はその10秒の「始まりの濃度+終わりの濃度÷2」で求めることができます。

反応速度は「終わりの濃度 – 始まりの濃度 / 10秒」で求めることができます。

グラフにしてみる(横軸「平均の濃度」縦軸「反応速度」)

綺麗な比例のグラフになります。つまりH2O2の分解速度は次の式で表せることがわかりました。

v = k [H2O2]

反応速度式は実験してみなければ求めることができない式だよ。ちなみにkは温度や触媒に依存する比例定数だよ。

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