物質量・濃度

個体の溶解度

溶解度とは

溶媒100gにその物質がどれだけ溶けることができるかを示した数値を溶解度と呼ぶ。 一般的に溶媒の温度が高ければ高いほど、溶解度も大きくなる。

飽和溶液

溶質が溶解度最大まで溶けきった溶液を飽和溶液と呼ぶ。

溶解度曲線

温度と溶解度の関係を示したグラフを溶解度曲線と呼ぶ。物質によって曲線は異なる。

溶解度
溶解度曲線(縦軸:溶ける溶質の量、横軸:温度)https://ja.wikipedia.org/wiki/

再結晶

高温に熱して溶解度を高くした飽和水溶液を冷却すると、溶解度が下がり、溶けきれなくなった溶質が結晶として析出する。このようにして純粋な結晶を作る方法を再結晶と呼ぶ。 

再結晶

溶液の濃度(モル濃度)

モル濃度

化学で専ら使うのは質量パーセント濃度ではなく、モル濃度である。これは、1Lの溶液に何molの溶質が溶けているかを示している。単位はmol/Lである。

例えば、1LのNaCl水溶液に1molのNaClが含まれていたら、そのモル濃度は1mol/Lである。

モル濃度は次の式で求めることができる。

mol濃度

 

溶液の濃度(質量パーセント濃度)

質量パーセント濃度

よくジュースなどで見かけるのは質量パーセント濃度である。質量パーセント濃度は、溶液全体の質量に対して、溶質の質量がどれくらいかを示している。

例えば、20%オレンジジュース溶液1000g の中には、200gのオレンジ(溶質)が溶けているということになる。

オレンジ

質量パーセント濃度を式で表すと次のようになる。

%
 (溶媒とは溶質+溶液のこと)

溶解

溶解とは

物質が水などに溶けることを溶解と呼ぶ。その際、液体を溶媒と呼び、溶かす物質を溶質と呼ぶ。溶解して生じた液体を溶液と呼ぶ。溶媒が水の場合は水溶液と呼ぶ。

溶液

溶けやすさ・溶けにくさ

水分子は極性分子であるため、極性があるイオン結晶極性分子は溶かしやすい。一方、無極性分子は溶かしにくい。一方で、無極性分子は水に溶けにくく、ヘキサンなどの無極性分子の液体に溶けやすい。しかし、イオン結晶であれば何でも水に溶けやすいわけではなく、CaF2などの物質はイオン結合が強く、水に溶けない。

ヘキサンヨウ素
上層がヨウ素が溶けたヘキサン。下層は水。http://rikajosyu.jugem.jp/
ちなみにヨウ素は、溶媒の種類によって溶けた時の色が変わる。
  • 四塩化炭素・ヘキサン:紫色
  • ベンゼン・トルエン:赤色
  • ヨウ化カリウム水溶液・エタノール・エーテル:褐色

物質量と気体

気体1molの体積

標準状態(0℃、1013hpa)において、どのような気体であっても1molは22.4Lであると決まっている。1molの時の体積をモル体積と呼ぶ。

4L

アボガドロの法則

どのような気体であっても 同温・同圧では同数の分子を含むという考えをアボガドロの法則と呼ぶ。

気体の分子量

気体の分子量は密度から求めることができる。

例:密度2.0g/L(標準状態)の気体の分子量

2.0g/L × 22.4L=44.8g

1mol(22.4L=1mol)の時に44.8gなので、44.8g/mol。

1molの時の質量は、その分子量に等しいので、分子量=44.8。

混合気体の平均分子量

混合気体の平均分子量は次のように求めることができる。

例:空気はN2:O2=4:1で構成されている。

N2の分子量=28
O2の分子量=32

28 × 4/5 + 32 × 1/5 = 28.8g/mol

よって、空気の平均分子量=28.8 

物質量

物質量とは

物質量とは、原子(またはイオンや分子)の量のことである。原子などの粒子は、非常に大量に存在するため、6.0×1023をワンセットとして考える。6.0×1023個の粒子のことを1molと呼ぶ。

アボガドロ定数

6.0×1023個をアボガドロ定数と呼ぶ。この個数だけ原子を集めると、その原子量(分子量or式量)と同じ値となる。例えば、元素Cの原子量は12.01であるが、Cが6.0×1023個集まると、12.01gとなる。

  • Cが6.0×1023個 12.01g
  • Cが2×(6.0×1023個) 24.02g

アボガドロ
アボガドロ定数https://ja.wikipedia.org/wiki/

1mol

6.0×1023個をわざわざ書くのはめんどくさいので1molと表記する。

  • × C 6.0×1023
  • ○ C 1mol

モル質量

その原子、分子、イオンが1mol集まった時の質量(g)をモル質量(g/mol)と呼ぶ。

  • Hの原子量は1なので、Hのモル質量は1g/molになる。
  • H2の分子量は2なので、H2のモル質量は2g/molになる。
  • NaClの式量は58.5なので、NaClのモル質量は58.5g/molになる。 

原子量・分子量・式量

原子の相対質量

原子はCを基準とし、相対的な質量(重さ)が決定されている。例えば、1kgは白金90%とイリジウム10%から作られた直径・高さともに約39 mmの合金製の円柱体が基準となっている。基準がなければ、重さを定義できない。

キログラム原基
1kgの基準。原子の質量の基準は12Cである。
 

同様に原子の重さも炭素12Cが基準となっている(元素記号の左上の数字は陽子の数+中性子の数)。炭素12Cの相対質量は12としている。これは、炭素原子が陽子6個、中性子6個を持っているためである。

原子量
12Cの相対質量と比べて他の原子の相対質量が決定する http://www.nist.gov/

元素の原子量

天然には同位体と呼ばれる原子が存在する。例えば、炭素には12C(陽子6中性子6)の他に、13C(陽子6中性子7)が極わずかに存在する。どれくらい存在するかを%で表したものを存在比と呼ぶ。Cの同位体は以下の存在比である。

  • 12C  相対質量12 98.93%
  • 13C  相対質量13 1.07%
C

ここから、C元素1つの相対質量の平均値を求める。

12×98.93÷100+13×1.07÷100=12.01

よって、C元素の相対質量の平均値は12.01である。この平均値を原子量と呼ぶ。

分子量

分子(非金属+非金属の共有結合の物質)を構成している原子の原子量の総和を分子量と呼ぶ。単純に原子量を足せば良い。

NH3ならば、N=14、H=1.0なので、

NH3=14+1.0×3=17

式量

イオン(例:Na+など)を構成している原子の原子量を式量と呼ぶ。 イオンであっても、電子に質量は殆ど無いので原子量は変わらない。また組成式(イオン結合した物質)を構成している原子の原子量の総和も式量と呼ぶ。

NaClならば、Na=23.0、 Cl=35.5なので、

NaCl=23.0+35.5=58.5