けん化価
油脂1gを鹸化するのに必要な水酸化カリウム(KOH=56)の質量(mg)の値をけん化価と呼ぶ。
求め方
油脂1molを鹸化するのにKOHは3mol必要なので次の式のようになる。
油脂1mol : KOH 3mol = 1g : けん化価(g)
Mを油脂の平均分子量として、これを質量に変換すると、次のようになる。KOHの単位がmgなことに注意。
油脂M(g) : (3 × 56 × 1000) (mg) = 1(g) : けん化価(mg)
つまり次の方程式で求めることができる。
けん化価 =56×3×1000×1/M
例
平均分子量300の油脂のけん化価
けん化価=56×3×1000×1/300 = 560
平均分子量30の油脂のけん化価
けん化価=56×3×1000×1/300 = 5600
平均分子量が大きいほど、けん化価は小さくなるのが特徴である。
ヨウ素価
油脂100gに付加することができるヨウ素(I2=254)の質量(g)の値をヨウ素価と呼ぶ。二重結合があればヨウ素が付加反応によって結合することができる。
求め方
二重結合1つでヨウ素I2が1つ結合することができる。二重結合の数をnとすると、次のように計算できる。
油脂1mol : n×ヨウ素1mol = 100g : ヨウ素価(g)
油脂の平均分子量をMとして、これを質量に直すと、
油脂M(g) : (n×254)(g) = 100g : ヨウ素価(g)
方程式に変換すると次のようになる。
ヨウ素価 = 254×n×100/M
例
平均分子量が100の油脂で、二重結合が1つの場合
ヨウ素価 = 254×1 ×100/100 =254
ヨウ素価130以上で乾性油となり、酸化して固まりやすい。ヨウ素価100以下で常温液体となる。
普段参考にさせて頂いております化学教員です。
けん化価の公式を紹介されておりますが、
1000を分母に入れてしまっているのを訂正して頂いてもよろしいでしょうか。
「けん化価」のGoogle検索でこちらのページが2番めに来るため、
こちらを見て混乱した生徒から質問があり、ご連絡しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いします。
ご指摘いただきありがとうございました。
1000が分子にくるよう、表記を直しました。また間違い等がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。何卒よろしくお願いします。