ここでは市販の12mol/L塩酸水溶液を使って1.0mol/L 塩酸水溶液100ml作る方法について解説します。
まず、完成したものを想像してみましょう。1.0mol/L 塩酸水溶液100ml(0.100L)には何molの塩酸分子が含まれているでしょうか。次の式で計算できますね。
1.0mol/L× 0.100L = 0.10mol
つまり、塩酸分子0.10molが必要というわけですね。
12mol/L塩酸水溶液から0.10molの塩酸分子を持ってくる方法を考えましょう。
何Lを取り出せばいいのでしょうか。次の式で計算できます。
12mo/L = 0.1mol / XL
X = 0.0083L
つまり、12mol/L塩酸水溶液から0.0083L(8.3ml)取り出せば、そこには0.10molの塩酸分子が含まれています。
市販の試薬から8.3ml持ってきたら、あとは100mlまで水を注げば完成です。計算すると、ちゃんと1.0mol/Lになってますよね。
0.1mol / 0.100L = 0.10mol/L
※実際はメスシリンダーなどを使って調製してください。
動画にもしてみたよ。よかったら見てみてね。
裏技的に体積比で簡単に作る方法があります。例えば、12mol/L塩酸1Lには12molの塩酸分子が含まれています。ここに水を12Lになるまで足すとモル濃度は次のようになります。
12mol / 12L = 1.0mol/L
1mol/Lになりますね。比率で考えれば、複雑な計算をしなくてすみます。
この比率は様々な体積でも使えます。たとえば12mol/L塩酸10mlに、水を120mlになるまで足すと、これも1mol/Lとなります。一応計算してみましょう。
塩酸分子の物質量 12mol/L × 0.010L = 0.12mol
モル濃度 0.12mol / 0.120L = 1.0mol/L
この方法でもいいんだけど、作る量の細かい調節ができないので、ちゃんと計算で作れた方が良いよ。