メタンと塩素の混合気体に光を当てると置換反応が起き、始めはクロロメタンが生成されます。これは、光によって塩素分子の結合が切れてラジカルになることによって起こります。
CH4 + Cl2 → CH3Cl + HCl
塩素分子の結合エネルギーは比較的小さく、光によってCl-Clの結合が切れてしまいます。すると塩素ラジカルCl・が発生します。Cl・は非常に不安定で、大きな反応性を持ちます。このような状態の原子をラジカル(遊離基)と呼びます。
メタンは比較的安定した分子ですが、反応性が高い塩素ラジカルCl・によってHが容易に引き抜かれ、メチルラジカル・CH3を生じます。
メチルラジカルは塩素ラジカルと結合し、クロロメタンが生じます。このような反応が次々に起き、最終的にはHが全て置換されてテトラクロロメタンになります。
光をあてるのは塩素分子の結合を切るためだったんだね。