物理学会と化学学会が妥協し合って12Cを基準とした
1865年、ベルギーのスタスは酸素を基準としてO=16とすることを提唱しました。しかし、20世紀に入って、酸素には16O、17O、18Oといった同位体が存在することが発見されました。
化学学会では、この3つのOの同位体の混合物の相対質量を16とした原子量(化学原子量)を使用しました。しかし、物理学会は、個々の同位体の質量を厳密に比較する必要性があったので、16O=16を基準とした原子量(物理原子量)を使用するようになりました。
化学学会 | 16O、17O、18Oの混合物の相対質量 = 16 |
物理学会 | 16Oの相対質量 = 16 |
流石に基準が2つあると不便すぎるので、1960年に統一しようとする動きが出てきました。そこでなるべく両者に影響を与えないようにするために、基準に12Cが選ばれました。16O=16を採用すると、化学界では化学原子量が0.027%ずれるのに対し、12C=12では0.0043%ほどのずれしか生じないのが理由でした。
1種の同位体の質量を基準とすることは、物理学会の主張が取り入れられ、なるべく数値の差がでないようにするという点では、化学学会の主張が取り入れられました。12Cが採用されたのは妥協の結果だったわけです。
統一ルールができて本当に良かった…。
表の「16C、17C、18Cの混合物の相対質量 = 16」「16Cの相対質量 = 16」の「C」は「O」の間違いですかねー?
ご指摘ありがとうございました!訂正しました!