それ以上分解されない糖の単位を単糖と呼ぶ。単糖には炭素原子が6個からなるヘキソース(6炭糖)と5個からなるペントース(5炭糖)がある。
ヘキソース
C6H12O6の化学式で表現できる。グルコース、フルクトース、ガラクトースなどがある。
ペントース
C5H10O5の化学式で表現できる。リボース、キシロース、デオキシリボース(Oは1つ少ない)などがある。
単糖の性質
- 無色の結晶
- 甘い
- 還元作用(銀鏡反応、フェーリング液の還元)を示す。
フルクトースの結晶http://astamuse.com/
グルコース(ブドウ糖)
グルコースの性質として以下の4つが挙げられる。
- 動物体内に存在している。
- 水溶液中ではα型、アルデヒド型、β型が平衡状態にある。
- 還元作用を示す。
- 結晶はα型を示す。
- アルコール発酵してエタノールを生成する。
α型・β型グルコース
1番目の炭素に結合するHとOHの位置によってα型、β型が決定する。殆どがα型、β型のグルコースであり、アルデヒド型のグルコースは微量である。
還元作用
環構造が壊れて、鎖状構造になるとアルデヒド基が形成される。アルデヒド型グルコースは、アルデヒド基を有しているため還元作用を示す。
フェーリング反応:酸化銅(Ⅱ)が酸化銅(Ⅰ)に還元される。
アルコール発酵
酵母内にある酵素チマーゼの作用によってアルコール発酵が起こり、エタノールを生成する。
フルクトース(果糖)
フルクトースの性質として以下の5つが挙げられる。
- 名前の通りに果実、ハチミツに存在する。
- 最も甘みが強い。
- 水溶液中では2種類ずつのα型・β型とケトン型の5種類が平衡状態にある。
- 還元作用を示す。
- 結晶はβ型である。
α型・β型フルクトース
α 型とβ型の違いは2番目の炭素に結合しているOHとCH2OHの位置の違いである。α型にしろβ型にしろ、それぞれ六角形の六員環(ピラノース)と、五角形の五員環(フラノース)がある。
α型・β型フルクトースhttp://www.eonet.ne.jp/
還元作用
ケトン型フルクトースは還元性を示す。ケトン基がある糖をケトースと呼び、ケトースの一部はアルデヒド基がある糖(アルドース)に異性化する。その結果、フルクトースは還元性を有することとなる。
左がアルドース、右がケトースhttps://ja.wikipedia.org/
ガラクトース
寒天やラクトースを加水分解することで得られる。グルコースの4番目のCに結合しているHとOHが逆転した構造を持つ。他の単糖同様にα型、β型があり
、還元性がある。