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塩の水溶液の液性

塩(えん)の水溶液

塩は酸と塩基の中和反応によって生成されたものである。中和反応を経たのであるから、その塩は中性であると勘違いし易いが、実際はそうではない。強酸・弱酸、強塩基・弱塩基の組み合わせの違いによって液性も変化する。

強い方の液性が出る。

  1. 弱酸と強塩基の塩:塩基性
  2. 強酸と弱塩基の塩:酸性
  3. 強酸と強塩基の塩:中性
  4. 弱酸と弱塩基の塩:中性

塩の加水分解

塩の水溶液が必ずしも中性でないのは、塩が水と反応(加水分解)してしまうことによる。

弱酸と強塩基の塩

例えば、酢酸CH3COOHとNaOHの反応では、CH3COONaが生成される。

CH3COONaは、水溶液中ではCH3COO-とNa+に電離している。酢酸は元々弱酸であるため、電離度が低く、イオンの状態でいるよりはCH3COOHの状態でいた方が居心地が良い。そのため、水と反応して、一部がCH3COOHに戻る。

塩の加水分解
塩の加水分解2

その結果、水溶液中にOH-の割合が若干増え、水溶液は塩基性となる。

強酸と弱塩基の塩 

上記の反応とは逆に、塩基由来のイオンが水と反応する。その結果、水溶液中にH+が増え、水溶液は酸性になる。 

強酸と強塩基の塩

水との反応は起こらない。そのため水溶液は中性となる。

弱酸と弱塩基の塩

酸由来のイオンと、塩基由来のイオンが水と反応する。H+、OH-どちらも増えるため水溶液は中性となる。

酸性塩の液性

塩の一部にHが残っているものを酸性塩と呼ぶ。酸性塩の中には、水溶液が酸性になるものもあれば、塩基性になるものもある。

硫酸水素塩

液性は酸性になる。
HSO4 ⇔ H+ + SO42-

炭酸水素塩 

液性は塩基性になる。
HCO3– + H2O ⇔ H2CO3 + OH-
 

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