気体分子の間は距離が空いていてスカスカだから
蒸気圧は密閉容器内に他の気体が入っていても変化しない、温度によってのみ変化する関数です。他の気体があったら何らかの影響を受けそうですが、殆ど影響を受けず、蒸気圧は殆ど変化しません。これは、他の気体があったとしても、気体の分子間は十分にはなれており、蒸発した分子が動き回れる隙間が多いためです。
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ドルトンの法則(気体の全圧は分圧の和に等しい)もこれと同じ考えだね。ドルトンは「1つの気体にとって、他の気体の存在は真空に等しい」という言葉を残しているよ。
しかし、「蒸気圧に他の気体は関係しない」というのは一般的な環境のみで言える話であって、超高圧の気体になると、気体が液面を尋常でなく強く押し付けて蒸気圧が変化します。たとえば、水は高圧の他の気体の存在下では、水分子同士が近づいて反発するため、より蒸気圧が大きくなることが知られています。
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「他の気体があっても蒸気圧が変わらない」というのは絶対ではないということだね。