なぜ可逆反応が起こる反応と起こらない反応があるの？

化学平衡とは下の反応が同時に起こり、平衡に達した状態を指します。

これをひとまとめにすると、以下のようになります。

右向きへと向かう反応を正反応、左向きへと向かう反応を逆反応と言い、正反応・逆反応どちらにも進む反応を可逆反応と呼びます。密閉容器におけるH₂とI₂によるHIの生成反応が有名です。

H₂とI₂の反応熱は比較的小さいです。

そのため、HIは再びH₂とI₂に戻りやすく逆反応が起こりやすい反応となっています（活性化エネルギー＋9kJで逆反応が起こる）。

密閉した容器の中では、HI分子同士の衝突によって活性化エネルギーが与えられ逆反応が起こります。ちなみに、密閉していなければどんどん分子は拡散し逆反応は起こりません。

逆反応に必要なエネルギーの小ささに加えて、エントロピー（乱雑さ）も逆反応に関わることがあるよ　アンモニアの生成（化学平衡）

ふつうは硫酸と亜鉛が反応して水素が発生する化学反応は、化学平衡を起こさないものとして理解されています。

しかし、この反応を超頑丈な密閉容器内で行えば、水素が超高圧に達し逆反応が起こり始めます（普通の容器ならば破壊されておしまいですが…）。そう考えると、密閉された容器と十分な反応物があれば、全ての化学反応は可逆反応をおこし、化学平衡に達する可能性があると言えます。

生成物が超高密度に存在したら何でも逆反応は起こるけど…ふつうは常識的な範囲で考えるということだね。