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なぜデンプンの化学式は(C6H10O5)nと書くの?原子の数が合わなくても良いの?

デンプンの途中の構造に注目して(C6H10O5)nと記す

デンプンの化学式は(C6H10O5)nと書きます。こう書くと、しっかりと構造を想像できる方々からは「原子の数合わなくなりませんか?」と聞かれることがあります。

本当は「n」の値はとても大きい数ですが、わかりやすいようにn=3で実際に考えてみましょう。

n=3、つまりαグルコースが3つ並んだ分子では、グルコース(C6H12O6)の間からH2Oが2つ抜けます。そのため、原子の個数は次のように書けます。

C6H12O6 × 3個 – H2O ×2個 = C18H32O16

一方、デンプンの式を使うと各原子の個数は次のようになります。

(C6H10O5)n = (C6H10O5) × 3 = C18H30O15

デンプンの化学式 (C6H10O5)n は厳密には正確な原子の個数を表していないことがわかります。これは末端のグルコースの構造を考慮していないことに由来しています。しかし、実際にはnの値はとても大きい(数百~数万)ため、HとOの数の違いは無視します。

デンプンの化学式はデンプン中のα-グルコースを下の図のように抽出したものです。nが増えてもデンプン分子の途中の部分を複製しているだけなので、末端のグルコースは考慮されていない化学式となっています。

デンプンの化学式 (C6H10O5)n は「 あくまでα-グルコースがグリコシド結合を繰り返していますよ」ということだけを表しているんだね。実際の厳密な原子の個数は表していないよ。

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