形成されるキレート錯イオンが不安定だから直前に混ぜる
フェーリング液AにはCuSO4が、フェーリング液Bには酒石酸ナトリウムカリウムと水酸化ナトリウムNaOHが含まれています。
![](http://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/11/オキソニウムイオンのコピーのコピー-23.png)
フェーリング液は実験直前に等量を混ぜて使います。A液とB液を混ぜるとCu2+と酒石酸イオンがキレート錯イオンを形成します。
![](http://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/11/Copper-tartrate-complex-3D-balls.png)
キレート錯イオンとは、複数の部分で金属イオンに配位結合して形成される錯イオンのことです。このCu2+と酒石酸イオンのキレート錯イオンは長期間置いておくと銅イオンが酸化されたりして、実験に使えなくなってしまいます。そのため、A液とB液は実験の直前に混ぜる必要があります。
![](http://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/11/名称未設定のデザイン.png)
混合後2時間ほどまでなら銅(Ⅱ)の錯イオンにあまり変化が見られないものの、それ以降は反応がうまく進まないという実験結果もあるようです。