ビーカーに蒸留水を100ml入れて加熱する。
200mlぐらいの大きめのビーカーが良いです。
沸騰したら塩化鉄(Ⅲ)FeCl3水溶液を2ml加え加熱を止める。
塩化鉄が沸騰水と反応して水酸化鉄ができます。塩化鉄水溶液の濃度は何でも良いですが、濃い方が濃いコロイド溶液を作れます。できれば飽和水溶液が良いですね。
FeCl3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3HCl
塩化鉄を沸騰している水に入れると明らかに塩化鉄の色とは異なる赤褐色になるよ。この赤褐色がFe(OH)3だよ。
反応解説
塩化鉄は弱塩基の水酸化鉄Fe(OH)3と強酸の塩酸HClの中和反応によって生成される塩です。
Fe(OH)3 + 3HCl → FeCl3 + 3H2O
塩化鉄は水に溶けやすく、水溶液中では電離(Fe3+とCl–)します。また、水溶液中では水由来のH+とOH–が存在しています。Fe3+は弱塩基由来であり、Fe3+として電離しているよりもFe(OH)3の状態でいた方が安定します。そのため、Fe3+は水酸化鉄 Fe(OH)3 を生成します。
【追加実験】作成したコロイド溶液をレーザー光をかざしてみる
コロイド溶液ならばチンダル現象で光の通り道が見えます。塩化鉄水溶液と比較してみましょう。
【追加実験】作成したコロイド溶液を電気泳動してみる
作成したFe(OH)3のコロイドをペトリ皿に入れ、銅片をワニ口クリップでとめて10~20Vの電圧をかけてみましょう。水酸化鉄は正の電荷を持った正コロイドなので陽極から離れていきます。
【追加実験】作成したコロイド溶液をセロハンで透析をしてみる
作成したFe(OH)3のコロイド(塩酸含む)をセロハンで包み、水に浸してみましょう。 Fe(OH)3 はセロハン内に留まりますが、塩酸分子はセロハンを通り抜けてしまいます。
硝酸銀AgNO3水溶液を水に入れるとCl-と反応してAgClの沈殿が生成され、HClが透過したのを確認できます。
新課程でFe(OH)3という化学式は書かないことになりました
情報が古く検索結果の汚染にしかならないので修正を求めます