次亜塩素酸は強い酸化作用を示す物質
次亜塩素酸HClOはとても不安定な弱酸で、水溶液中のみに存在します。また分解しやすく、分解すると原子状酸素を生成します。
HClO → HCl + O
この原子状酸素は、電子軌道を満たそうと電子を手当たり次第に他の物質から奪います。その結果、強い酸化作用を示します。
つまり、色んな物質の構造を手当たり次第に破壊していくということ。殺菌剤として利用されるのはこの性質のおかげなんだね。
このような強い酸化作用を持つので、次亜塩素酸水(次亜塩素酸を含む水)は消毒液として使われます。当然ですが、次亜塩素酸は有毒です。濃度が低くても、決して体に良いものではない(有毒)です。
よく次亜塩素酸水の安全性の根拠として「食品添加物として国から認められているから安全!」と大々的に宣伝されています。しかし、厚生労働省のHPには次亜塩素酸水について次のように書かれています。
次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければならない。…
…使用後、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられる。
https://www.mhlw.go.jp/
つまり、除去されていなかったら安全とは言えないってことだね。
また、「食塩水を電気分解しただけだから安全」という言葉もよく見かけますが、食塩水を電気分解して発生するのは塩素Cl2という非常に有毒の気体です。この塩素が水と反応して次亜塩素酸HClOを生成するのですが、この表記の仕方は消費者を舐めくさっているとしか思えません…。
なぜ塩素Cl2と水H2Oが反応して次亜塩素酸HClOと塩酸HClが生成されるの?もちろん、適切な用途に次亜塩素酸水を使うのは問題ないでしょう(建物を消毒したりとか、汚物を消毒したりとか)。ですが、空間噴霧など、口や眼などに直接かかるような使い方はするべきではありません。よくわからない企業の口車に乗せられないようにしましょう。
前に次亜塩素酸水を空間噴霧している病院に行ったら、めちゃくちゃ喉が痛くなった…空間噴霧ヤバいって…。