塩素と水の反応
塩素Cl2と水H2Oが反応すると次亜塩素酸HClOと塩酸HClが生成されます。
反応機構を見ていきましょう。
まず、塩素Cl2が水H2Oと出会うと分極を起こし、電子が片方のClに引き寄せられます。正電荷に帯電したClは水H2OのOと配位結合します。
Cl2は本来無極性分子だけど、H2Oの存在によって電荷の偏りが生じてしまうんだね
Clが結合したことによって、正電荷を持ったOはHから電子を奪います。その結果、H+が脱離し、HClOが形成されます。H+はCl–と合わさりHClとなります。
酸化数はCl原子のみが変化しているので、この反応を自己酸化還元反応と呼びます。
Cl2 + H2O ⇔ HClO + HCl
Cl2の酸化数:0
HClOのClの酸化数: +1
HClのClの酸化数: -1
生成されたHClOは不安定な弱酸で、HClとOに分解し、Oが手当たり次第に電子を奪うので強い酸化作用を示すよ。