ベンゼン環にアミノ基が結合した化合物であり、最も単運な芳香族アミンである。
構造式
性質
- 有毒で無色の液体。特異的な匂いがする。
- 酸化すると褐色に変化する。
- 弱塩基性を示す。
- 水には溶けにくいが、塩基であるため塩酸に溶けてアニリン塩酸塩を生成する。
- さらし粉水溶液を加えると赤紫色に呈色するため、さらし粉はアニリンの検出方法として用いられる。
- 硫酸酸性K2Cr2O7水溶液でアニリンブラック(黒色物質)を生成する。
- 無水酢酸と反応してアミド(アミド結合-NH-CO-を持つ化合物)を形成する。
アニリン塩酸塩
NH2がHを受け取りNH3+となって、Cl-とイオン結合する。
さらし粉水溶液との反応
アニリンブラック構造式
無水酢酸とアミド形成
CH3COが結合することをアセチル化と呼ぶ。アニリンと無水酢酸(オキソ酸)が脱水縮合すると、アセトアニリドが形成される。アセトアニリドはアミド結合を持っているので、アミドである。
製法
ニトロベンゼンを還元し、アニリン塩酸塩を生成する。その後、NaOH(強塩基)と反応させることによってアニリンを生成することができる(アニリンは弱塩基なので遊離する)。
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