半反応式を足す
半反応式とは、酸化剤もしくは還元剤1つのみの電子の授受に注目した式である。酸化剤の半反応式と、還元剤の半反応式を合わせれば、酸化還元反応の反応式を作ることができる。その際に注意しなければならないのは、電子の出入りの数が同じになるようにしなければならないことである。
過マンガン酸カリウムと二酸化硫黄の酸化還元反応
前ページの求めた半反応式をそのまま使用する。
MnO4– + 8H+ + 5e– → Mn2+ + 4H2O
SO2 + 2H2O → SO42- + 4H+ + 2e–
過マンガン酸イオンの式では5e-、 二酸化硫黄の式では2e-なので、最小公倍数の10を目指してそれぞれ公約数を掛ける。
(MnO4– + 8H+ + 5e– → Mn2+ + 4H2O )×2
(SO2 + 2H2O → SO42- + 4H+ + 2e– )×5
すると、係数は次のようになる。
2MnO4– + 16H+ + 10e– → 2Mn2+ + 8H2O
5SO2 + 10H2O → 5SO42- + 20H+ + 10e–
両式を足すと、次のようになる。
2MnO4– + 16H+ + 10e– + 5SO2 + 10H2O → 2Mn2+ + 8H2O + 5SO42- + 20H+ + 10e–
左右辺から消せるものを消していくと、
2MnO4–+ 5SO2 + 2H2O → 2Mn2++ 5SO42- + 4H+
右辺のMn2+は、SO42-と結合し、またH+もSO42-と結合する。
2MnO4–+ 5SO2 + 2H2O → 2MnSO4+ SO42- + 2H2SO4
過マンガン酸イオンではなく、過マンガン酸カリウムに書き換えると式が完成する。
2KMnO4 + 5SO2 + 2H2O → 2MnSO4+ K2SO4 + 2H2SO4