クロロベンゼンをさらにハロゲン化するとパラジクロロベンゼンが生成されると教科書にはあります。しかし、実際はオルトジクロロベンゼンと少量のメタクロロベンゼンも生成されます。
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クロロベンゼンの-Cl基はベンゼン環に電子を与える性質を持ち、ベンゼン環に電子が流入することでオルト位とパラ位で電子密度が高くなり、置換反応が起こりやすくなります。
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これをオルト-パラ配向性と呼びます。詳しくは下の記事を参照してください。
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そのため、クロロベンゼンではパラ位で55%、オルト位で39%の割合で置換反応が起こります。オルト位に結合するとCl同士が近くなるため、パラ位の方が割合が高くなります。
一方、メタ位は電子密度が大きくなるわけではないため、置換反応は起こりにくく、割合は6%です。つまりメタジクロロベンゼンは少量ですが生成されています。
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クロロベンゼンをハロゲン化すると、一番高い割合で生成されるのはパラジクロロベンゼンです。しかし、実際にはオルトジクロロベンゼンや少量のメタジクロロベンゼンも生成されているのです。
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生成されるのはパラジクロロベンゼンが一番多いんだね。