過マンガン酸カリウムは酸性下では還元されてMn2+になり、中・塩基性下では還元されてMnO2になります。なぜ生成物が異なるのでしょうか。
マンガンMnは酸化数に幅がある物質で、下画像のようなバリエーションがあります。
MnO4–は酸化数+7で最も高い(電子が最も失われている)状態です。酸性下では還元されてMn2+(酸化数+2)まで還元することができます。ここまで還元するのには多量のH+が必要です。
MnO4– + 8H+ + 5e– → Mn2+ + 4H2O
一方、中・塩基性下ではMnO2(酸化数+4)までしか還元することができません。つまり、還元の途中段階で終わってしまうということなのです。
MnO4– + 2H2O + 3e– → MnO2 + 4OH–
過マンガン酸カリウムは酸性条件で還元がより進む物質なんだね。