フェノールの置換反応する部位はオルト・パラ位
フェノール樹脂を合成する過程や様々な置換反応において、フェノールが主に反応する部位はオルト位・パラ位と決まっており、これをオルト-パラ配向性と呼びます。
OHのOの共有電子対はベンゼン環のπ軌道と重なりを持っており、ベンゼン環へOの電子が流れ込みます。すると、オルト位とパラ位で電子密度がやや大きくなります。
少しわかりづらいので、一部の電子を視覚化しました。Oから非共有電子対が流れ込むと他のCで確かに電子が1つ多くなりますね。
ベンゼン還の置換反応は陽イオン(NO2+、Cl+、+SO3Hなど)が近づくことによって起こります(ベンゼン環のπ軌道の電子雲には陰イオンは近づけないのです)。そのため、陽イオンは電子密度が大きくなるオルト位とパラ位へ近づき、置換反応を起こします。
他にも、-NH2、-OCH3、NHCOCH3、-Cl、CH3などを持つベンゼンもオルト-パラ配向性を持つよ。