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【実験】水酸化鉄Fe(OH)3の凝析・保護コロイドの実験

水酸化鉄Fe(OH)3の凝析実験

適当な濃度のFe(OH)3水溶液4mlが入った試験管を5本、ゼラチン溶液4mlが入った試験管を1本を準備する。

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

ゼラチン溶液

こんな感じで並べておこう。

Fe(OH)3水溶液5本のうち1本にはゼラチン溶液1mlを加えてよく振る。

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液

Fe(OH)3溶液+ゼラチン溶液

ゼラチン溶液

1本にはゼラチン溶液を加えるんだね

下の各電解質水溶液を1滴ずつ加え沈殿が生じるかを調べる。10滴加えても濁らなければ次へ移る。

Fe(OH)3水溶液 + 何も加えない (標準溶液)

Fe(OH)3水溶液 + NaCl

Fe(OH)3水溶液 + MgCl2

Fe(OH)3水溶液 + Na2SO4

Fe(OH)3水溶液 +ゼラチン溶液 + Na2SO4

ゼラチン溶液 + Na2SO4

水溶液の濃度は適当で良いよ。1mol/L~0.1mol/Lぐらい。

凝析した結果を確認する

Fe(OH)3水溶液 + 何も加えない (標準溶液)→ 変化なし

Fe(OH)3水溶液 + NaCl → 変化なし

Fe(OH)3水溶液 + MgCl2 → 変化なし

Fe(OH)3水溶液 + Na2SO4 → 数滴加えたら沈殿が生成した

Fe(OH)3水溶液 +ゼラチン溶液 + Na2SO4 → 変化なし

ゼラチン溶液 + Na2SO4 → 変化なし

1本だけ沈殿が生じたね!

反応解説

Fe(OH)3は正の疎水コロイドのため、マイナスの電荷を多く持つイオンによってプラス同士の反発が打ち消されて凝析してしまいます。

マイナスの電荷の多さによって凝析しやすさが決まるので、ClよりもSO42-の方が凝析しやすいです。そのためNaClやMgCl2を少量加えても沈殿は生じませんが、Na2SO4を加えると少量でも沈殿を生じます(多量であればNaClでも凝析します)。

一般に正コロイドを凝析させるとき、二価の陰イオンは一価の陰イオンの数十倍、三価の陰イオンは一価の陰イオンの数百倍の凝析力を持ちます。

Fe(OH)3にゼラチンを加えると、ゼラチンがFe(OH)3を保護コロイドとして覆い、全体として親水コロイドのようになるため沈殿しにくくなります。

ゼラチンは親水コロイドであるため、大量の電解質を加えないと沈殿しません。

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