【酸・塩基】ブレインステッドの定義はなぜ必要なの？なんの意味がある？

アレニウスの酸・塩基の定義は、「酸は水溶液中でH⁺を生じるもの、塩基は水溶液中でOH^–を生じるもの」です。あくまで水溶液中の話なんです。

つまり、アレニウスの定義では、①気体や②水に溶けない物質については扱うことができませんでした。しかし、ブレインステッドの定義では、これら①・②の反応も酸・塩基の反応として含めることができます。

有名な反応に塩酸（気）とアンモニア（気）の中和反応があります。

H⁺を相手に渡すHClは酸、H⁺を受け取るNH₃は塩基だと言えます。

Al(OH)₃、Fe(OH)₃、Cu(OH)₂など多くの金属の水酸化物は殆ど水に溶けません。そのため、アレニウスの定義では塩基ではありませんでした。しかし、これらの物質は酸と反応して中和されていくので、ブレインステッドの定義では塩基に位置付けられます。

Al(OH)₃ はH⁺を受け取ってAl³⁺になるので塩基だね。