水酸化鉄は塩化鉄を沸騰水に注ぐことによって生成されます。
FeCl3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3HCl
教科書には「水酸化鉄は正電荷を帯びており、電気を流すと陰極(マイナス)へ移動する」とあります。しかし、なぜFe(OH)3が正電荷を帯びているのでしょう。
Fe(OH)3は急速に加水分解された結果、上手く凝集できず、Fe(OH)3の小さな集団を作っています、溶液中には反応できなかったFe3+や、HClが電離して生じたH+などが漂っています。
Fe(OH)3の小さな集団にはOH–が多量にあり、部分的に負の電荷を持ち、そこにFe3+やH+が引き寄せられ吸着しています。その結果、正の電荷を帯びて正コロイドになります。
また、正電荷を帯びているため、お互いに反発して凝集することができず、Fe(OH)3はコロイドの状態を維持します。
電荷を帯びているからコロイドの状態を維持できるんだね!