塩化鉄は水によって加水分解され、水酸化鉄と塩酸が生成されます。この反応は塩の加水分解と呼ばれます。
FeCl3 + 3H2O → Fe(OH)3 + 3HCl
塩化鉄は弱塩基の水酸化鉄Fe(OH)3と強酸の塩酸HClの中和反応によって生成される塩です。
Fe(OH)3 + 3HCl → FeCl3 + 3H2O
塩化鉄は水に溶けやすく、水溶液中では電離(Fe3+とCl–)します。また、水溶液中では水由来のH+とOH–が存在しています。Fe3+は弱塩基由来であり、Fe3+として電離しているよりもFe(OH)3の状態でいた方が安定します。そのため、Fe3+は水酸化鉄 Fe(OH)3 を生成します。
沸騰水に少量の塩化鉄を加えると、コロイド溶液となります。加水分解が急激に進むため、水酸化鉄の結晶核が周りにある水酸化鉄を取り込んで大きな粒子になることができず、コロイド粒子の段階で成長がストップしてしまうのです。
沸騰水じゃなければコロイドにはならないよ