フェノールの呈色反応
フェノール類の検出には塩化鉄(Ⅲ)を使った呈色反応が用いられます。Fe3+にフェノキシドイオンC6H5O–が配位結合し、錯イオンが形成されます。この錯イオン形成によって可視光の吸収具合が変わり、紫色に呈色します。
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フェノールは弱酸のため、H+がたくさんあると、平衡が下の式では左に傾きます。
C6H5OH ⇔ C6H5O– + H+
その結果、フェノキシドイオンC6H5O–が減少して呈色しなくなります。
Fe3+は塩基性下では水酸化鉄として沈殿するため、使い物にならなくなります。
Fe3+ + 3OH– → Fe(OH)3↓
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中性に近い方がいいけど、フェノール自身が弱酸だから、弱酸性でも大丈夫だね。