ギ酸はCu2+とキレート錯体を形成してしまうから
ギ酸はカルボン酸でありながら、アルデヒド基を併せ持つ物質です。そのため、アルデヒドの性質である「還元性」を持っています。
ギ酸は銀鏡反応を示しますが、フェーリング反応は示しません。なぜ還元性を持つのにフェーリング反応は起こさないのでしょうか。
ギ酸イオンはフェーリング液中のCu2+とはキレート錯体を形成し安定することが知られています。
キレート錯体とは?
キレート錯体とは、複数の配座をもつため、配位している物質から分離しにくい錯体です。
ギ酸イオンが錯体形成に使われてしまうと、反応するギ酸イオンが減少し、フェーリング反応が起こらなくなります。