同じ粒子同士が衝突する回数を考える
密閉状態でヨウ化水素HIを加熱するとH2とI2に分離します。
2HI → H2 + I2
この反応を反応速度式で表すと次のようになります。
v = k[HI]2
なぜ指数が二乗になるのかを考えていきましょう。例えば、HI粒子が4個あったとします。1つに注目すると、3本の線を引くことができます。この線が1つの粒子が衝突する回数です。
他の粒子も同様の線を引けますが、重複している線があるため、全体を2で割ると全体の衝突回数が求められます。
衝突回数 = 4 × 3 ÷ 2 = 6
これを一般化してみると、1つの粒子につき衝突回数の線は(n-1)本引くことができます。粒子がn個あると考えると、全体はn(n-1)です。これをさらに2で割ると全体の衝突回数が求められます。
衝突回数 = n(n-1) / 2
実際の粒子の数は1個、2個というような数ではなく十分に大きいため、n-1≒1と近似することができます。そのため次のように書けます。
衝突回数 = n2 / 2
さらに、1/2を係数kに含めてやると、次の式を書くことができます。
v = k[HI]2
同じ粒子同士が衝突する回数(確率)を求めたら、濃度(粒子の数)の二乗になることがわかるね。