強塩基性水溶液中では酸化してしまうから
ベンズアルデヒドはベンゼン環にアルデヒド基が結合した物質です。アルデヒド基があるため、還元性を示します。
ベンズアルデヒドは銀鏡反応の弱塩基性の環境では、アンモニア性硝酸銀を還元することができます。
しかし、フェーリング液の強塩基性+加熱される状況下では、ベンズアルデヒド同士が自己酸化還元反応を起こし、ベンジルアルコールと安息香酸に変化してしまいます(これをカンニッツァロ反応と呼びます)。
その結果、ベンズアルデヒドのアルデヒド基はカルボキシ基に酸化されてしまうため、ベンズアルデヒドはフェーリング反応を示しません。
まず、OH–がベンズアルデヒドのCに結合します。その結果、H–がもう1つのベンズアルデヒドに転移します。
安息香酸ができますがH+が電離し、転移します。
安息香酸イオンとナトリウムイオンはイオン結合して安息香酸ナトリウムが生成され、ベンジルアルコールも生成されます。
強塩基性の水溶液中ではアルデヒド基がなくなって還元性は示さなくなるんだね。