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濃淡電池の構造と電流が流れる仕組み

濃淡電池とは

基本的に電池は異なる電極の電位差を利用して作られているが、同じ種類の電極でも電解質の濃度の差を利用して電池を作ることもできる。

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濃度の異なるAgNO3aqを塩橋で繋いだ容器に入れ、電極にAgを用いて導線で繋ぐと、両AgNO3aqの濃度が一定になるまで電流が生じ、以下の反応が起こる。

正極:Ag+ + e → Ag

負極:Ag → Ag+ + e

濃度の濃い溶液ではAg+が電極に衝突する回数が多いため、電極から電子を受け取ってAgになることがある。その結果、電極内(正極)での電子が不足し、反対の電極(負極)から電子が引き寄せられる。結果、負極ではAgがイオン化する。

濃淡電池はAg+の衝突による電位差を発生させるという仕組みであるため起源力は0.06Vと非常に小さい。そのため、人間生活においては実用性がない。

しかし、濃淡電池のような原理(溶液中の濃度の違いによって生じる起電力)は、神経細胞内で用いられており、これを利用して電気信号(活動電位・静止電位)が発生させている。

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