化学のなぜ?を集めました

プロピンに水を付加反応させるとアセトンができる仕組み

途中でアルコールができるけどケトンになる

プロピンC3H6硫酸銀HgSO4硫酸H2SO4を触媒として水H2Oを付加させるとアセトンCH3COCH3ができます。次のような反応機構です。

C3H6 + H2O → CH3COCH3

まず、プロピンの三重結合が開裂しH2Oが付加されます。その際に、OHは他の炭素原子が多く結合している方に付加されます(これをマルコフニコフの法則と呼びます)。

付加反応で生じるアルコールは不安定で、H+が転移して安定な異性体のアセトンに変化します。不飽和アルコールとカルボニル化合物では、このような反応が起こり、ケト・エノール平衡として知られています。

ケトエノール平衡はなぜ起こるの?

二重結合のπ軌道と隣接するOの共有電子対のp軌道とが一部重なっており、Oから二重結合のπ軌道へ電子が流れ込む現象が起きます。その結果、H+が電離しやすくなります。

また、OからC=C間に流出した電子によってH+が結合し、アセトンが形成されます。

途中でアルコールになるけれど、不安定でケトンになるんだね。

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