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ナトリウムアルコキシドの水溶液はなぜ強塩基性なの?

ナトリウムアルコキシドとは?

アルコールとナトリウムが反応した物質をナトリウムアルコキシドと呼びます。ナトリウムアルコキシドの水溶液は強塩基性を示します。

C2H5OH + Na → C2H5ONa + H2

この反応はヒドロキシ基(-OH)の検出に使われます。

なぜナトリウムアルコキシドの水溶液は強塩基性なの?

これを説明するためには、アルコールが「酸」であることを知らなくてはなりません。

高校化学ではアルコールは電離しないと教えられます。しかし、アルコールは実際にはごくわずかに電離します。

C2H5OH ⇔ C2H5O + H+

つまり、ナトリウムアルコキシドは見方を変えれば、超弱酸と強塩基からなる塩だとみなすことができます。この塩を加水分解すると次のようになります。

C2H5ONa + H2O ⇔ C2H5OH + NaOH

アルコールが超弱酸ということは、電離していない状態の方が安定していることを意味しているため、上の式では右側に反応がほぼ傾きます。結果、NaOHが大量に生成され、強塩基性を示します。

※アルコールは中性

アルコールの電離度は水のそれよりも小さいため、水の電離で生じたH+によって、アルコールの電離はほぼ抑えられています。そのため、アルコールの溶液は中性になります(フェノールを除く)。

まとめ

アルコールはとんでもなく弱い弱酸でほぼ電離しません。ナトリウムと反応すると、無理して電離した状態になり、ナトリウムアルコキシドができます。

ナトリウムアルコキシドが水と出会うと、無理して電離していたアルコールが元に戻ろうとします。

その結果NaOHが大量に生成され、溶液は強塩基性になります。

C2H5ONa + H2O ⇔ C2H5OH + NaOH

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