酸化マンガン(Ⅳ)と濃塩酸が入った水溶液を加熱すると塩素が発生します。この反応は酸化還元反応です。
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
どんな反応か詳しく見てみよう。
酸化マンガンは様々な場面で酸化剤として用いられますが、この反応でも酸化剤としての役割を持ちます。
MnO2 + 4H+ → 2e– → Mn2+ + 2H2O
一方、塩酸は還元剤として働きます。
2Cl– → Cl2 + 2e–
両者を合わせると次のような式になります。
MnO2 + 4H+ + 2Cl– → Mn2+ + 2H2O + Cl2
4H+は塩酸HCl由来と考えられるので、式に2Cl–をさらに加えて4HClにします。
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
酸化マンガンじゃなくても、さらに強い酸化剤である過マンガン酸カリウムでも反応するよ。その際は熱する必要はないよ。