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なぜ二酸化炭素は無極性分子なのに水に少し溶けるの?

二酸化炭素は少し水に溶けやすい無極性分子

二酸化炭素は無極性分子ですが、他の無極性分子と比べると少し水に溶けやすい気体です。例えば、20℃における酸素の溶解度は0.031cm3/ cm3ですが、二酸化炭素(炭酸ガス)は 0.88 cm3/ cm3もあります。これはなぜでしょう。

酸素と二酸化炭素では水への溶けやすさに20倍以上の差があるんだね。

二酸化炭素分子は全体では無極性、部分的に見ると極性

CO2のOは電気陰性度が高いためCから電子を強く引き寄せ、Oが負電荷を持っています。つまり、部分的には極性があります。しかし、全体を見ると引っ張られる方向が真逆なため、調和がとれて全体としては無極性分子になります。

「部分的」と「全体」の違いがわかりづらいですね。原子を例に考えてみよう。

例えば、水素原子は、負電荷の電子1個と、正電荷の陽子1個からなります。この原子も電子が負電荷、陽子が正電荷で部分的には電気的な偏りがあります。しかし、全体としては負電荷と正電荷が中和して偏りはありません。

部分的に電気的な偏りがあっても、全体として偏り無しってこういうことなんだね。

水分子はこの部分的な極性によって少しだけ水和するため、少し水に溶けます。しかし、極性分子に比べると溶ける量はごく僅かです。例えば、極性分子であるアンモニアは1176 cm3/cm3も溶けます。

水への溶解度
酸素(無極性分子) 0.031 cm3/cm3
二酸化炭素(無極性分子) 0.88 cm3/cm3
アンモニア(極性分子) 1176 cm3/cm3

あくまで他の無極性分子に比べて少し溶けやすい程度なんだね。

水と反応して炭酸になる

また、二酸化炭素は水と反応して炭酸H2CO3になります。この反応も二酸化炭素が少しだけ水に溶けやすい理由の1つです。

H2O + CO2 → H2CO3

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