アニリンと氷酢酸を硫酸触媒で反応させるとアセトアニリドが生成されます(アリリンと無水酢酸でもOKです)。反応機構を見ていきましょう。
酢酸分子のCはOの電気陰性度によってプラスに帯電しています。そこにアニリンのNの非共有電子対が結合を形成します。
![](https://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/12/アセトアニリド.png)
すると、Nは非共有電子対を配位結合に使ったので電子不足に陥ります。またOは二重結合が解消されたので電子過多になります。
![](https://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/12/アセトアニリド-1.png)
NはHから電子を奪いH+が脱離します。OはCと二重結合を結び、Cが電子過多になるためOH–が脱離します。その結果、アセトアニリドと水が生成されます。
![](https://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/12/アセトアニリド-2.png)
![](http://manabu-chemistry.com/wp-content/uploads/2021/11/名称未設定のデザイン.png)
無水酢酸の場合も同じような反応だよ。酢酸のOHをCH3COOに代えたら無水酢酸の反応になるね。