ガラスSiO4は殆どの酸に反応しない物質ですが、フッ化水素HFには溶けます。
SiO4のSi原子はO原子に囲まれ、強い極性が生じSiは正に帯電しています。一方、フッ化水素はFの原子半径が小さく、また電気陰性度が極めて高いため、Fの負電荷の密度が非常に高い状態になっています。
そんな負電荷の密度がめちゃくちゃ高いF-がSiを攻撃して新たな結合を作り、SiF4を生成します。水溶液中ではさらに2分子のHFが配位結合し、水溶性のヘキサフルオロケイ酸イオン[SiF6]2-という錯イオンになります。こうしてガラスはフッ化水素水溶液によって溶けていきます。
塩酸HClのCl原子も負電荷は持っているけど、フッ化水素のFには及ばないよ。だから塩酸はガラスを溶かすことはできないよ。