フェーリング反応はアルデヒドの還元性を示すためによく使われますが、アルデヒドは塩基性にならないと還元力を持たないという性質があります。そのためただCu2+だけ存在していても還元されることはありません。しかし、Cu2+は塩基性下だとCu(OH)2として沈殿してしまいます。
塩基性 & 銅がイオンの状態じゃなきゃいけないんだ…
そのため、フェーリング液Aを硫酸銅水溶液、フェーリング液Bを酒石酸ナトリウムカリウム・水酸化ナトリウムの混合水溶液とし、この両者を混ぜることでCu2+と酒石酸イオンで錯イオンを形成させ、塩基性下でも銅がイオンの状態として存在できるようにしています。
結果、塩基性条件下でCu2+と出会ったアルデヒドは、Cu2+を酸化させることができます。
銀鏡反応も同じような理由で、硝酸銀水溶液にアンモニアを加えて錯イオンを作らせているね。