製錬とは
金属は通常、化合物(イオン)として地球上に存在している(Au、Ptを除く)。そのため、金属として利用するためにはイオンを還元(電子を与えること)しなければならない。この作業を製錬と呼ぶ。イオン化傾向が高ければ高いほど、製錬するのに高いエネルギーを必要とする。
AuとPt
AuとPtはイオン化傾向が非常に低い金属であるため、めったなことがない限りイオン化しない。そのため、これらの金属は単体として産出される。人類が初めて手にした金属は、製錬しなくても使用できるこの2つの金属であった。
Al、Mg、Na、Ca、K、Li
これらの金属はイオン化傾向が非常に高いため、還元剤を用いて還元させることが難しい。 そのため、電流を通じて直接電子を送り込み、還元させる。
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鉄の製錬
鉄は地球上で最も多い金属であり、様々な用途で使用される。赤鉄鉱FeO3、磁鉄鉱Fe3O4をコークス(炭素)を用いて還元することによって得られる。
FeO3 + 3CO → 2Fe + 3CO2のように、酸素が取り除かれる。
赤鉄鉱石Fe2O3
磁鉄鉱Fe3O4
銑鉄
炭素を4%ほど含んだ鉄を銑鉄と呼ぶ。溶鉱炉から得ることができ、もろい。鋳物などに用いられる。
鋼
炭素を2~0.02%ほど含んだ鉄を鋼と呼ぶ。銑鉄を酸素と反応させ、転炉中で炭素を取り除く。粘り強く、鋼材として用いられる。