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酸化数とは
酸化還元反応を理解するためには、原子間においてどのように電子の受け渡しがなされたのかを知る必要がある。イオン結合の物質ならば、電子の授与ははっきりとわかる。
例:2Mg + O2 → 2MgO
上記の化学反応式では、Mg2+とO2-のイオン結合なので、Mgの電子が酸素に渡されたと理解できる。
しかし、共有結合の物質の場合、どのように電子の授与がおこなれたのかはっきりしない。
例:N2 + 3H2 → 2NH3
そのため、酸化数という数値が考えだされた。酸化数とは、どれくらい酸化しているか(どれくらい電子を失っているか)を数字で示したものである。イオンはその価数がそのまま酸化数となり、共有結合の物質では電気陰性度の大きい原子に電子が移ったと仮定して酸化数を定めている。
酸化数決定のルール
①単体の酸化数は0
例:H2
Hの酸化数は0。お互いに電気陰性度が同じなので、電子のやりとりは生まれない。
②化合物中の水素原子の酸化数は+1、酸素原子は-2。構成原子の酸化数の総和は0になるようにする。
例:H2O
Hの酸化数は+1、Oの酸化数は-2。Hは2つあるので総和は0になる。
酸素O→電気陰性度が非常に高いので、周囲の電子を奪って2個の電子殻の空きを埋める(-2)。
水素H→非金属の中で最も電気陰性度が低いため、1個の電子を取られる(+1)。
③単原子イオンの酸化数はイオンの電荷に等しい。
例:Na+
Na+の酸化数は+1。
④多原子イオンでの原子の酸化数の総和は、その多原子イオンの電荷に等しい。
例:SO42-
Oの酸化数は-2×4つである全体の酸化数の総和が-2であるので、Sの酸化数は6となる。
⑤化合物中の1族アルカリ金属は+1、2族アルカリ土類金属は+2で一定。
例:KCl
Kは1族なので+1、Clは-1。
例外
①Hの酸化数が1でない時もある。
例:CaH2
CaH2では、Caの方が電子を引き寄せる力が弱い。そのため、Ca2+と2H+のイオン結合となっている。よって、Hの酸化数は-1となる。
②OはFに負ける。
例:OF2
OF2では、Fが最も電気陰性度が高いので、Oの電子はFに奪われる。Fの酸化数は化合物中では常に-1なので、この場合、Oの酸化数は+2となる。
③O同士では打ち消し合う
例:H2O2
H2O2は、-O-O-の結合が出来ており、O間で電荷の偏りを打ち消し合っている。そのため、酸化数が減少する。Hの酸化数は+1、Oの酸化数は-1となる。
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